アセットアロケーション

zxa2007-08-26

アセットアロケーションとは、資産を国内株式・国内債券・海外証券などに資産区分クラス別にある割合になるように
分配する投資の仕方です。確定拠出型年金とかで勧められています。

理論的には、相関係数が低い資産と組み合わせると、リスクを軽減できるということが証明されています。これは、ノーベル経済学賞を取った理論で、ポートフォリオ理論と呼ばれています。

アセットアロケーションについて考えてみたいが計算が面倒だとこのごろ思っていたところ、いいエクセルシート(タロットのポートフォリオ理論)を発見しました。各種パラメータは、すこし古いですが下記の野村の資料のP.42にあります。ただし、株式と債券以外のリターンは、データ不足のためかシャープレシオ0.5となるように修正されています。また、企業年金連合会では予測値を使っているようです。
野村の統計結果は、外国債券の方が、国内株式よりリスクが小さいのにリターンが高いという結果になっているのに対して、企業連合会の予測は、国内株式よりリスクが小さく、リターンも小さくなっています。今回は、相関係数の比較対照が多い野村の統計を採用してみます。

さて、普段の私のポートフォリオは、Emerging Marketばかりです。iShares MSCI Emerging Markets Index(円換算) 2003/4以降月次リターンとリスクを年率換算したものは、リターン 31.82% リスク 17.814%となっております。

このポートフォリオのリスクを下げる方法について検討してみます。ポートフォリオとしては、EM株式、外国債券、国内リート、外国リートから選択するとします。
リートのリターンとリスクも過去の実測値を計算してみます。

世界リート: S&P Citigroup Global REIT indexes (日本を除く、日本円換算:Total Return) 1999/5以降の月次リターンとリスクを年率換算したもの リターン 16.63% リスク 15.37% あがり方が指数関数的に前の2004/3までは、リターン12.74% リスク15.66%
日本リート: STBRI J-Reit 総合インデックス (配当込み(Total Return)2001/9以降の月次リターンとリスクを年率換算したもの リターン 19.90% リスク 13.86% ここ1年バブルのような上がり方をしていたので、一定であがっていた2006/7まででは、リターン15.33% リスク 12.41%
今回は、リートバブルにペナルティを与えて、世界リートは、リターン12.74% リスク15.66%、日本リートをリターン15.33%、リスク 13.86%としました。


計算結果は以下のようです。

リターン 26.26% リスク 13.07% シャープレシオ 2.01 EM株式 65% 外国債券 5% 国内リート 30% 外国リート 0%
リターン 19.98% リスク 9.36% シャープレシオ 2.13 EM株式 45% 外国債券 25% 国内リート 30% 外国リート 0%
リターン 19.15% リスク 8.96% シャープレシオ 2.14 EM株式 40% 外国債券 25% 国内リート 35% 外国リート 0% (図の赤点)
リターン 18.04% リスク 8.46% シャープレシオ 2.12 EM株式 40% 外国債券 35% 国内リート 25% 外国リート 0%
リターン 11.70% リスク 6.90% シャープレシオ 1.70 EM株式 15% 外国債券 55% 国内リート 30% 外国リート 0%
(シャープレシオは、(リターン-無リスク資産の利回り)/リスク。今回は、貯金の金利があまりに安いので、無リスク資産の利回りを0。)
3番目は、リターンを20%程度にすると、リスクがおよそ半減することを示しております。
5番目は、もっともリスクが小さい点に近い値となっております。この点は、外国債券(リターン 4.2%,リスク 11.02%)に比べてリスクが低いのに、リターンが高くなっています。


さて、ここまでの検討で、、
・EMのリスクを下げるには、国内リートと外国債券をつみたてないといけない。
ということがわかりました。

つらつら書いてきましたが、値等は信頼できない、そもそも未来がどのようになるかを過去からは判断できないということから、参考にされても責任は負いませんのでよろしくお願いいたします。