日経電話世論調査

どうやらid:zxa:20060723の調査は、日経電話世論調査とおもわれます。
RDD(Random Digit Dialing)サンプリングという無作為抽出の電話番号に電話を行うというものです。c.f.日経リサーチの解説
月一に定例で行われているもので、結果は本日の日経朝刊、過去のデータは、このページに掲載されています。

世論調査結果を見ていつもおもうことは、日本のマスコミは、統計誤差について触れません。さすがに、本調査を行っている、日経リサーチでは、この辺りのことを述べていますが、CNNのように、毎回言及したほうがよいのではないでしょうか。
日経電話世論調査では、今回の安部氏の支持率は、42%となり、1%あがったとしています。しかし、これは大きな間違いです。
この調査の統計誤差として95%信頼区間を算出してみると、母集団が毎回900程度なので、二項分布を仮定すると、支持率pの推定量標準偏差ρは、
\sqrt{\frac{p(1-p)}{n}}=0.0165、したがって、95%信頼区間は、±1.96ρ = 3.2%となります。また、前回の安部氏の支持率は、41%、母集団は、889なので、95%信頼区間は、同じく±3.2%となり、前回と今回では、安部氏の支持率は有意の差が認められなかったため、統計の誤差の範囲で同じとみなせます。

このような、報道がまかり通る日本では、中学、高校の数学で、統計を必修にした方がよいと常々感じます。